2016年 10月 25日
Les Clients doivent être en silence ? 物言うお客は何とやら?? |
一頃、“ 物言う株主 ” と呼ばれる投資家がおりました。今もご健在のようですが、マスメディアを賑わし、一部からは称賛され、一部からは辛辣な非難を浴びました。
市場原理に則り、「数の正義」という原理で物言うスタイルが、一部からは「当たり前のこと。会社は株主のモノ。違法でないのだからどこに問題がある?」という至極当然の原則のように語られ、反対に非難する側からは「数で乗っ取った後は、それまで蓄えていた現金を株主に還元という名目のもと吐き出させ、好きなように牛耳った後は売り抜ける。自分たちの金儲けのことしか考えておらず、株主になる資格なんて毛頭ない」といった、云わば理念や情に訴える論法で痛罵した。
どちらが正しいかはここでは置いといて(だったら書くなという話も置いといて・・・)、レストランで言うなら、「金を払っているのはお客の方なんだ。賞賛も批判も苦情も自由なはず。口にすることの何処に不都合を感じる必要がある?」という原理原則を説く人がいたとして、さて我々お店の側はどう反駁すればいいのでしょうか?
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一気にダーッと書かずに、ネタを持続させるために小出しにしていきます。お時間がおありでしたらお付き合いください。料理の写真も付け合わせますので、一皿の料理のように楽しんで頂ければ。
早速、写真はこの時期の前菜です。紅茶のビネグレットで和えたオマール、軽くカレーの風味をつけたバターナッツのムースリーヌ、甲殻類のジュレ、2種類のパパイヤ(熟したものはグリエに、青パパイヤはジュリエンヌにし歯応えのアクセントに)、ノワゼットの塩味のチュイル、ハーブに紅茶パウダー。
骨子はオマールとカレー、紅茶、ノワゼットの香りのマリアージュに、甲殻類の甘味、カボチャの甘味、お菓子のようなノワゼットの sucré-salé の甘味。
いつもながらに素材をストレートに味わうのではなく、少し戸惑って、少し難儀して、少しだけ不快感(もっと素直に素材を味わいたい的)を感じて頂いた後の、“ 前のめりの楽しさ ” を感じてもらえればと・・。
だからアベレージを取り難いという実感はありつつ、止められないのは性分です。まぁ50歳が料理人の絶頂期だと思っておりますので、あと数年楽しみます。
A bientôt !!
by latourelle
| 2016-10-25 18:35
| 料理