2015年 02月 28日
Chartreuse de perdreau / chou / foie gras フォアグラと山鶉、縮緬キャベツのシャリュトリューズ |
Perdreau aux choux 山鶉のキャベツ添え。
と呼ばれる、フランス料理の世界ではとても有名な料理があります。ジビエ、特に山鶉や雉のような白身の肉で、パサつきやすいものには水分を補うという目的を備えたジューシーなキャベツを添えることはよくあります。赤キャベツをビネガーで蒸し煮にしたものもありますし、キャベツはジビエとそもそも好相性なのです。
その “ Perdreau aux choux ” 山鶉のキャベツ添え のアレンジです。冷たい一皿に仕上げます。と言っても、これまでに多くの料理人がこれくらいのアレンジは施してきておりますので、私のオリジナルとは申しません。どこかの誰かがやっているに決まってます。zuccotto風の形状も含めて。
柔らかく茹でたちりめんキャベツ、フォアグラのテリーヌ、ジビエのブイヨンで真空調理にした山鶉の胸肉、そのブイヨンをベースにコンソメを仕立て、そのコンソメで全ての材料を写真のように半球状に冷やし固めます。
金箔と金の皿は ・ ・ ・ デザインですね。普通に白い皿に盛るのとでは、視覚のインパクトがまるで違います。
そして切り分けます ↓
味は典型的な濃厚かつ芳醇なフランス料理の味がします。実際にお客様に御提供の際には、トリュフのビネグレットとスライスに、トーストしたブリオッシュを添えてお出ししております。身元正しきコッテコテのフランス料理ですね。
ジビエのシーズン最後に、今年はパテ・アンクルートではなく、写真のこちらの皿にしました。
クラシックの王道的料理とは言え、最近はめっきり廃れた感もあり、世界的には完全に置き去りにされております。そもそも、流行の料理を作りたければ、そのようなフランス料理の知識が必ずしも必要とは言えません し、インターネットを駆使し、流行をすくい続けることも今の時代であれば不可能ではありません。
もはやお客様がフランス料理店にフランス的な味や香りのみを求めているわけではなく、所謂北側の経済が世界規模で発展した結果(やっぱり全ての経済はバブルに繋がるようで)、様々な食の趣向を持った新たな顧客層が産まれたのでしょう。アメリカのGDPで言うと、私がフランスに留学していた1996年の約8兆ドルから、2012にはおよそ倍の16兆ドルにまで上昇しているわけですから、単純に外食に多くのお金を掛けることの出来る層も、世界的に増大しているわけです。
そこでアングロサクソン系のメディアが急に活気づいてきたワケで・・・。カネ余りの英米の陰謀 とまでは言いませんがね(笑)。
まぁこれだけ選択肢が増えた以上、殊更古典フランス料理の重要性を説く必要性も感じませんし、知らなきゃ知らないで如何様にもやり方はあるし、特にニッポンで流行っているお店の多くは、そういったフランス料理の文脈とは一線を架したスタイルでやっているお店の方が多いと言うのが現状です。
では、なぜ自分は未だにフランス料理にこだわるのか??
それは次回以降に。
by latourelle
| 2015-02-28 21:58
| 料理