2015年 01月 18日
On fait la cuisine, c'est pourquoi ? なんで 「料理」 するの?? |

キルシュでマリネにした苺、ピスタチオをムース & 刻んだもの & デキストリンでオイルを粉状にしたもの & アングレーズゾース、ハイビスカスで甘く煮たフルーツトマト、野苺のソルベ、トンカ豆の砂糖菓子。
よくもまぁ・・・自分で言うのもなんですが、こんなにゴチャゴチャと盛り込みますなぁー。もっと要素を絞り込んで、ストレートに素材の良さを感じられる皿には出来ないのか?? なんでトマトをわざわざハイビスカスで煮るの? ピスタチオオイルを粉状にするメリットはあるの?
よくもまぁ・・・自分で言うのもなんですが、こんなにゴチャゴチャと盛り込みますなぁー。もっと要素を絞り込んで、ストレートに素材の良さを感じられる皿には出来ないのか?? なんでトマトをわざわざハイビスカスで煮るの? ピスタチオオイルを粉状にするメリットはあるの?
その昔、ピエール・ガニェールという当代きっての天才料理人(この人は真の天才。そこらじゅうに転がっているテンサイ諸氏とは月とスッポン!)が非常に的確に わざわざ料理する意味というもの を表現しました。
曰く、「例えばラタトゥイユを例にとろう。通常ラタトゥイユには茄子、ズッキーニ、玉ねぎ、ピーマン、トマトが入っている。でもラタトゥイユを食べるとそれぞれの野菜の味がするのではなく、“ ラタトゥイユ ” の味がするのみ。それが洗練というものだ」
「近頃は素材素材と叫びすぎている。料理に於いては、素材をどうするか?という事の方が重要なはずだ」
「料理には2パターンのやり方がある。素材の良さを前面に出す調理法。もう一つは素材の未だ見ぬ新たな一面を引き出す方法。私(P・ガニェール)はその後者のやり方を好む」
別角度から。こっちの方がいいかも。料理の写真は相変わらず難しい。まだまだ器械に弄ばれてます。
それはそうと!味ですか?もちろん最重要視しています。最近のベストレストラン50に代表される風潮の 人と違う事をやること自体に意味がある。味だけではない世界観の拡がり、その創作者のエスプリに触れる事に意味がある・・・・ で、味は二の次三の次でよしとな?
だったらわざわざ料理である必要がない! えっ?料理でやるから凄いんだよ! いや、だから、それだったら美味しくなきゃでしょ。食べ物を口に入れる「食べる」という行為が、ただ単に食欲を満たすだけじゃないというのは大いに賛同するけど、味よりも大切なものはないでしょーよ(エルブジで散々な目にあって、本当に懲り懲りなんです)!!
最近、特に強く感じさせられる出来事がありましたもので、ついつい。
で、この苺のデザートを通して言いたいことは、ストレートに味わう皿もありつつ、素材の色んな表情を引き出す方に、私は重きを置いているという事です。だから、多くの要素を一皿の上に盛り込む訳です。もちろん、特に肉料理は、ストレートに素材の良さを味わっていただくこともあります。全部が全部この調子では、食べる側は疲れますから。
甘く香り高い旬の苺と、濃厚かつ滑らかなピスタチオのムース。その甘さに独特な香りと酸味でインパクトを与えてくれるハイビスカス風味のフルーツトマト。パリパリした食感とパンチのある香りが特徴のトンカ豆のアメ。更には若干劣勢のピスタチオの香りをとても効果的に補ってくれるパウダーとソース。彩りを添えるエディブルフラワー。
いろんな香りといろんな味と、いろんな食感といろんな色を、食事の最後に楽しんで頂ければと思います。
いろんな香りといろんな味と、いろんな食感といろんな色を、食事の最後に楽しんで頂ければと思います。
おしまい。
by latourelle
| 2015-01-18 23:03
| デザート&チーズ