LA TOURELLEのこと、その他のこと、徒然と ・ ・ ・
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2014年 04月 15日
豚はもう・・・フランス料理と言えば!の素材の筆頭格ですが、やはり日本では御馳走感がイマイチ感じられないのか、「えぇ~ブタなの?」的リアクションも少なくありません。特にフランス産の仔牛が解禁になった今では、その代替的イメージが強かっただけに尚更出番は減っているのではないでしょうか。
とはいえ、仔豚となるとまだまだ高級感は残っているようです。確かに繊細な肉質と柔らかい香りは日本人には好まれる性向があります。 とは言え、素材をいかす という考えは微塵もございませんので、いじります。いじり倒します。その行為を素材を殺すとは言いません。 そもそも 素材の生殺与奪を料理人が握っている という考え方自体がかなり怪しい。そんなものの境界は恣意性の範疇を出ないわけだから、言ってしまえば極めて些末なことでしかないわけです。全ては感じる側の問題です。作り手がそれを言うのはサイドストーリーを付随させることによる新たな価値の添加なのです。でも今はそのサイドストーリーの方が重要との見方もできますが・・・それはまたの機会に。 骨付き背肉は仔豚ならではの皮つきでしっとり焼き上げます。トリュフのピュレとポレンタはベストマッチングです(ある意味ベタですが)。バラ肉はハーブと共に塩漬けの後にコンフィ。定番のレンズ豆がお供。ヒレ肉はトマトとミント風味のクスクスを塗してカリカリにロースト。豚足は胡桃と玉ねぎとクロケットに。そして掃除した後の端肉で小さなソーセージを。本当はブーダンが理想ですが、流通の事情からなかなか叶いません。こちらはシュークルートがお相手を務めます。 因みに日本で唯一のフランス料理史研究家の方から、「5種類の仔豚」というこの皿のフランス語の韻から、様々なヒントを頂きました。
《 Le tout sans nouveauté qu'un espace de la lecture 》 すべて読書空間以外に新しいものなど何も無い 言葉の戯れ Jeu から違う一面を掘り起こす作業です。フランス料理の新たな展開の可能性を垣間見ることが出来ます。ヨーロッパの天才肌のシェフ達は、優れたクリエーターである前に、ほとんど例外なく優れた読み手であることは余り知られておりません。 新しことを創造するという事はそういうことだと思います。料理も同じです。コトバでその差を局部肥大させることで、新たな価値の創造であるかのごとく振る舞うのは評論家だけで十分です。作り手の側はそれではいけません。 素材は言葉を話しません。「素材の声を聞く」というのは一時期よく料理人が言っておりましたが、それはどういう意味でしょうか?アルゴリズムは一体何なのでしょうか?何語で?? 素材を崇めすぎるのはよくありません。素材とどう関わり、どう読み替えていくかは作り手次第です。あくまで 自分自身の反復 でしかありません。
これだからフランス料理は面白い反面、難しくもあります。底の浅い沼に足を突っ込んでも簡単に引き抜けますが、底の深い沼にハマるとなかなか大変です。地球の反対側の日本人がフランス料理を本格的に学ぶのは本当に大変な事ですが、『それだけの価値はある』 ということを、かみ砕いて魅力的に伝えていくのが今後の我々の課題です。
コンテクスト無しのディアスポラが地球規模で、特に距離のハンデがあるアジアではやり易さも手伝って人気ですが、私はあくまでフランス料理に拘りを持っております。何故か?簡単な理由です。その方が・・・俄然美味しいからです!!そして、継続の余地を十分に残しているからです。
by latourelle
| 2014-04-15 17:39
| 料理
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